ロコモティブシンドローム
名称「ロコモティブ・シンドローム」の提案
日本整形外科学会理事長 中村 耕三
今年、国の賢人会議は健康対策の方針「新健康フロンティア戦略」を、厚生労働省は介護予防力のアップとして「骨・関節・脊髄の痛みによる身体活動低下の防止、運動器疾患対策の推進」を発表しました。「運動器の10年」世界運動などを通してこれまで日整会が取り組んできた活動をさらに進め、運動器の大切さ、運動器医療の推進を、国民的な広がりのある運動にしていく好機のように思います。
今、わかりやすい医療が求められています。そこで、運動器の障害により要介護になる危険の高い状態を、「ロコモティブ・シンドローム」と呼ぶことを提案したいと思います。ロコモティブは運動器(locomotive organs)を意味します。日整会は今後、一人一人が運動器の健康を自己点検できる簡単なテスト法や予防法を開発、検証して、高齢者のみならず働き盛りの時期から、人々が予防に関する知識をもち、取り組むことによって、前向きに生活できるよう支援する国民運動に貢献していきたいと思います。
日整会ニュース第71号より転載
ロコモ25の欠損値についての取扱いの推奨について
- ロコモ25を用いた研究における欠損値補完は、 欠測メカニズムを考慮した方法 (多重代入法など) が最も望ましい。
しかし、 全体として 欠損値のある人が40%以下である場合、欠損値の数が8個以内 の対象者においては、 個人の欠損値以外の平均値を代入する単一代入法で代替しても差し支えない。 - 個人にロコモ25の数値をフィードバックする場合、欠損値が8個以下であれば 欠損値以外の平均値を代入する単一代入法での結果を参考値とすることは差し支えない。
例) 3個欠損の場合、(測定されたロコモ25の総計÷22)×25 =ロコモ25の結果(参考値)
(文献)
Kawahara T, Yamada K, Terashima R, Takashima I, Tanaka S, Ogata T, Chikuda H, Miura H, Nakamura K, Ohe T. Practical guida nce to handle missing values in the 25-question Geriatric Locomotive Function Scale (GLFS-25): a simulation study. BMJ Open. 2022 D ec 26;12(12):e065607. doi: 10.1136/bmjopen-2022-065607. PMID: 36572490; PMCID: PMC9806098.
ロコモ判定ツール「ロコモ25」「ロコモ5」
「ロコモ25」「ロコモ5」の使い方 (PDF)
「ロコモ25」フォーム (PDF)
「ロコモ25」点数計算表 (エクセル)
「ロコモ5」フォーム (PDF)
- ※「ロコモ25」・「ロコモ5」についてのお問い合わせは、
日本運動器科学会第1事務局(rishin@jichi.ac.jp)までお願いいたします。